研究課題/領域番号 |
26380641
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
若林 公美 甲南大学, 経営学部, 教授 (20326995)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 比較可能性 / 財務情報 / 利益のシンクロニシティ / 包括利益 |
研究実績の概要 |
本年度前半は、ヨーロッパ会計研究学会とアメリカ会計研究学会において、研究成果の報告を行った。これらの学会では,会計基準のコンバージェンスとともに,利益のシンクロニシティが高まることを報告した。しかし,分析結果には,景気動向と会計基準の両方の影響が混在しているという指摘もあった。そこで,学会で得られたコメントを反映すべく、分析のリサーチ・モデルの再構築を行った。具体的には、会計基準変更の影響をよりよく観察するために,利益のシンクロニシティのみならず,キャッシュフローのシンクロニシティについても検討するなど追加分析について考察した。 本年度後半は、昨年度に引き続き、追加の文献レビューを行った。会計情報の比較可能性の研究に関しては、まだワーキングペーパーで,非公開のものが多いが、パブリッシュされたペーパーや大幅にリサーチのアプローチを変えた研究も多いため、より詳細な文献レビューを行った。また、会計情報の比較可能性の研究に関する他の研究者のワークショップに参加することを通じて得られた知見に基づき、De Franco et al. (2011)のモデルの改良の可能性を考察した。 さらに,分析に必要なデータについては、年次データに加えて,四半期データの整理も追加しはじめた。昨年度積み残したデータの整理はほぼ終了したが,リサーチ・モデルの追加に伴い何が必要なデータであるのかについて再度検討を行った結果,さらなるデータの必要性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、学会報告を2回行い、さらなるモデルの改良や分析に必要なデータの追加を行った。学会報告やデータ整理が進んでいることから,研究は当初の予定通り、おおむね順調に進展しているといえよう。本年度は、レビュー論文の公表を予定していたが、準備段階にとどまっているため、最終年度に公表する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、研究実施計画に基づき、必要な分析を追加する。また、研究成果に関しては、学会等で報告する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
最新の海外の研究動向を本研究に反映させるため、最終年度の旅費に費用を繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度の未使用額に関しては、次年度の旅費に充てる予定である。
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