研究課題/領域番号 |
26380642
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
阿部 晃士 山形大学, 人文学部, 准教授 (50305314)
|
研究分担者 |
小松 洋 松山大学, 人文学部, 教授 (60241501)
篠木 幹子 中央大学, 総合政策学部, 准教授 (20398332)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 社会調査法 / 面接調査 / 統計的調査 / 回収率 |
研究実績の概要 |
量的(統計的)調査においても、質の高い調査を実施するためには実践的技術(スキル)と細部にわたる知恵(ノウハウ)が重要である。しかし、社会調査の実施自体が困難になりつつある状況や、調査実施過程のブラックボックス化が進みつつある現状では、こうした技術や知恵が継承されず、将来的には失われる恐れがある。 本研究では、量的調査のうち面接調査に焦点を絞り、調査に関わる研究者・調査者のインタビュー調査を行い、社会調査の技術と知恵を体系化する。また、それを踏まえた実験的調査によりその有効性を確認し、社会状況の変化に対応した社会調査の継続・発展の方向性を明らかにする。 そのうち、平成26年度には、第1に、面接調査の技法に関する研究事例を収集・整理した。第2に、それを踏まえ、日本の代表的社会調査で中心的役割を担ってきた研究者、すなわち「社会調査のエキスパート」を対象としたインタビュー調査の内容を検討した。 ここでは社会調査のプロセス(調査の構想・計画から調査実施後の分析、報告、データの管理まで)に沿って質問内容を整理することで、インタビュー調査の概要を固めることができた。そのなかで、長く社会調査に関わってきた経験豊かなエキスパートが対象の場合と、社会調査の最前線で活躍している現在のエキスパートに対する質問内容を峻別すること、調査の技術・知恵の背後にある失敗経験や「望ましくない」調査の事例などについても情報収集することなど、インタビュー調査実施までの課題が明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度には調査のエキスパートへのインタビュー調査を実施する計画であった。しかし、面接調査の実施に関する研究例や文献を収集・検討する過程で、インタビュー調査の内容をより体系的に整理する必要性が明らかになった。 このため、インタビュー調査の実施時期を平成27年度に再設定し、26年度はその内容についての検討に重点を置くことにしたことによる。
|
今後の研究の推進方策 |
「調査のエキスパート」へのインタビュー調査については、その内容を面接調査の技法に関する先行研究に照らして再確認をしたのち、調査実施に移る。まず1,2名のインタビューを行いさらに質問内容を検討するなど、段階を踏みながら質問内容の体系化を進めていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
インタビュー調査の実施時期を平成26年度から27年度に修正したことにともない、旅費の多くを次年度に使用することになったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成27年度には、仙台市、東京、大阪などでインタビュー調査を実施するため、前年度未使用だった旅費を使用する。
|