研究課題/領域番号 |
26380643
|
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
松田 映二 埼玉大学, 社会調査研究センター, 准教授 (90649964)
|
研究分担者 |
松本 正生 埼玉大学, 社会調査研究センター, 教授 (00240698)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 目で見る調査 / アイカメラ / 郵送調査 / インターネット調査 / 国勢調査 |
研究実績の概要 |
「耳で聞く」調査ではなく「目で見る」調査の回答バイアスを確認するための事例の収集(アイカメラを用いて分析することで効果を期待できる事例の収集)。 課題として、(1)質問文の1段編集と2段編集による差異、(2)選択肢文の1列表示と多段多行表示による差異、(3)フォントの種類、大きさ、太さによる差異、(4)行間幅のパターンによる差異、(5)分岐質問への誘導方式による差異、(6)表形式と独立質問形式による差異、(7)図やイラスト、記号による影響、(8)用紙サイズや頁数による影響を掲げているが、2015年国勢調査の試験調査事例を分析し、とくに(1)(2)(3)(4)(5)の影響が予想されることを把握した。
松田映二「平成27年国勢調査の方法論における課題ー新たな調査票レイアウトの提案ー」『政策と調査』第8号、45-72頁、2015年3月(査読有)
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属する社会調査研究センターにおいて「地方消滅」に対応する県との共同研究が始まり、調査設計・質問文作成・調査票作成などに時間を割けなければならなくなった。昨年度中にプレ調査を終え、本年5月から本番調査を実施する段取りになっている(埼玉県が平成27年3月25日に報道発表済:「政策と調査」第8号にプレ調査の概要発表済)。 かなりの研究時間をこのプロジェクトに割かなければならなくなった半面、今年度に実施を予定している当科研費による調査の題材を「地方消滅」問題とし、検討済みの質問文・選択肢文を用いてレイアウト変更による回答傾向の変化を探ることで、遅れを挽回できると確信している。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、(1)質問文・選択肢文の配置の影響を定量的に評価した先行研究事例の収集と整理(表分類で定型化)。(2)比較すべき調査票の作成(本研究で明らかにする視覚的影響パターンの決定)。(3)調査設計(対象地域と対象者の選定)。(4)調査結果の分析。(5)研究発表および論文の執筆、という段取りになる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
アイカメラ実験における謝金の必要性を見込んでいたが、量的調査を実施するだけの視認パターンの確定に至らなかったため、無駄遣いを避けるために次年度に持ち越すことにした。
|
次年度使用額の使用計画 |
アイカメラ実験における視認パターンを確定して、定量的な分析が可能な調査を行い、調査費用として支払う予定。 アイカメラや認知心理学関係のシンポジウムなど意義あるものには参加する予定(旅費として計上)。
|