本研究は、質問と選択肢文を「目で見る」調査の回答バイアスを研究し、「目で見る」複合調査を実現することを目的としている。その第一段階として、郵送調査による調査票レイアウトが回答に及ぼす影響を精査した。初頭効果は択一でも複数回答でも高頻度で発生する。選択肢を2段配置すれば1段配置より初頭効果は薄れる。選択肢文の長いものなどは選ばれやすい。中間選択肢は中間に配置すれば回答数は増えるが、最後に配置すれば激減する。中間選択肢を中間に配置しても最後に「その他」を設ければ中間から最後の方に回答が拡散される。回答行為は意味上の中間ではなく視覚上の中間の影響を受ける。これらの知見が発表や論文で周知されている。
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