研究課題/領域番号 |
26380652
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
稲田 十一 専修大学, 経済学部, 教授 (50223219)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 紛争後国 / 社会関係資本 / 東ティモール / カンボジア |
研究実績の概要 |
平成27年度には、本科研予算にて平成26年度に実施した、東ティモールでの社会関係資本に関するアンケート調査(6地域・合計255世帯)の整理・分析を進めた。 他方で、紛争後国の社会関係資本の動態をより体系的な比較の観点から整理するため、27年8月に米国ワシントンDCにて、紛争後社会の研究・分析に関して実績のある国際機関・研究所・大学研究者等と面談し、関連資料を収集した(当初27年度中に予定していたカンボジアでの現地ヒアリング調査は、平成28年度夏に実施を延期した)。 また、本科研とは別の予算を使い平成27年9月に実施したルワンダでの現地調査を踏まえ、紛争後社会の社会状況の比較検討・分析の作業を進めた。他の紛争後国の事例も含めた関連文献を読み込み、研究会などを通して関連研究者と意見交換を行なった。 また、紛争後社会の社会関係資本の比較分析の観点から、ベトナム北部及び南部の農村における社会保障制度や小規模金融の状況を現地調査に基づき比較分析した論文をまとめた。(”Social safety net in Vietnam: Comparative analysis of two villages in the north and south in terms of community-based social safety net and the market economy wave,” The Monthly Bulletin of Social Science, Senshu University, No.624, 2015.)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年夏に、米国ワシントンDCでの関連情報・資料収集調査、及びルワンダでの現地調査を実施したことにより、当初27年夏に計画していたカンボジアでの現地調査を実施する時間をとることができず、平成28年夏の実施へと延期することとなった。 他方、国内での紛争後国の比較分析作業、関連資料等の読み込み、論文作成の作業等は、順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、カンボジア・東ティモールの比較分析のみならず、ルワンダなどを含めた紛争後社会の社会状況の比較分析を進め、英語論文としてとりまとめ、国際学会で発表を予定している(平成28年7月、世界政治学会[International Political Science Association]の年次大会[24th World Congress of Political Science, 於ポズナニ・ポーランド])。 また、平成28年8-9月に、カンボジアでの現地調査を実施し、同国における社会状況の詳細なヒアリング調査を実施する予定である。この調査結果を踏まえ、上記の国際学会報告(英語)論文とは別に、カンボジア・東ティモール等の紛争後国の比較分析を進め、国内での学会報告や関連テーマの研究者との研究会の開催を通じて意見交換し、コメントを得て最終的な論文をとりまとめる。 また、時間と予算が許す限り平成28年度内に、東ティモールで、東ティモールの関連研究者・実務家(NGOスタッフ等)とともに研究会を開催し、研究成果の発表・意見交換を行うべく努める。 最終的な研究成果のとりまとめにあたっては、ルワンダなど類似する他の紛争後国のケースとも比較することを想定している。研究成果は論文ないし本の形で、平成29年度以降の刊行をめざす。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年夏に実施を計画していたカンボジア現地調査にかわり、同年夏に、米国ワシントンDCでの関連情報・資料収集調査を実施した結果、カンボジアでの現地調査は平成28年夏の実施へと延期することとなり、そのための予算を確保する必要もあり、平成27年度予算の一部を平成28年度に回したため。
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次年度使用額の使用計画 |
当初27年度に予定していたカンボジアでの現地調査は、平成28年夏に実施する予定であり、平成27年度予算から次年度使用額に回した予算を平成28年度中に使用する計画である。
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