本研究は、全国の介護現場の専門職(施設長と介護職員)に対して、郵送法によるアンケート調査を実施することによって、外国人介護士受入れに対する意識やEPA、新在留資格「介護」の創設、介護技能実習制度に対する賛否およびその理由を把握し、介護現場で働く介護専門職の、外国人介護労働者受入れ意識に関連する要因を明らかにして、我が国の介護人材確保の議論に役立つデータを供することを目的とした。 1年目には、無作為抽出された全国介護保険3施設の高齢者関連施の施設長と介護職員を対象にアンケート調査を実施し(施設長N=722;介護職員N=586)、年度末には記述統計結果をオンラインで発表した。2年目は、1年目で得られた全国データに、回答が得られた施設が所在する都道府県の人口動態・社会・経済に関する情報を、公官庁発表の統計データから加え、それらを統合したデータセットを用いて、どのような要因が、介護現場で働く人たちの外国人介護労働者に対する受け入れ意識に影響を及ぼしているか統計分析を行った。最終年度である平成28年度は、その分析結果を、研究成果として研究発表や論文の形で発信することや「外国人介護労働者に関する文献目録集」を完成させることを目的としていた。 研究実績としは、平成28年度は、雑誌論文を1件「外国人介護労働者受入れに関する一考察」で発表した。また、平成29年度7月米国サンフランシスコで開催される第21回IAGG(老年学および老年医学に関する世界会議)で口頭発表の研究要旨を投稿し受理された(要旨ID#:2578531)。 「外国人介護労働者に関する文献目録集」は、日本国内の文献だけにとどまったが、編著書、論文、報告書、インターネット資料、博士論文等を含む約730件を含む計82頁の目録集を完成した。
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