旧産炭地における財政破たんのメカニズムと、原子力関連施設立地自治体における財政の依存状況を解明した。前者については、炭鉱の閉鎖に伴う様々な課題が地方財政に収斂していく現象がみられる一方で、国などからの支援の効果は限定的であった。後者については、長期的な財政の推移をみるかぎり持続可能性が十分でないことや、原子力関連施設への依存度が高くなることにより地域社会での公共圏の機能が衰退、自律性を喪失する傾向がみられることを指摘した。合わせて、高レベル放射性廃棄物処理施設の立地についても分析し、財政的な便益の供与による立地推進という方法の課題を考察した。
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