社会的排除をめぐる社会運動について、パリの住宅への権利運動および、東京・大阪の野宿者運動について調査を行った。フランスの場合、移民やシングルマザーなどマイノリティが社会的排除の当事者であるが、運動のフレーミング過程においては、個別のカテゴリーは掲げらず、ミドルクラスにも波及力のあるフレームが形成されていた。日本の場合、マイノリティに固有の権利としてのフレーミングの結果、ときにバッシングを引き起こす。フランスの場合、個別のカテゴリーを設定しないため、植民地主義など社会的排除の基盤にある歴史性は考慮されず、マイノリティ当事者のアイデンティティ・ポリティクスにとって有効なフレームとなっていない。
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