本研究は、日本、中国、インドネシア、韓国、マレイシア、タイ、ベトナムを対象とし、(ア)従業員ランク付けの仕組みと、(イ)ランク間移動のパターンを比較研究したものである。 (ア)では、仕事の要素を考慮するものの、教育資格や経験をも重視し、全般的に学歴と熟練度に基づく格付けとなっているが、近年には成果要素を積極的に取り入れようとしている、そして(イ)では、日本と韓国の場合は、学歴の要素が弱く内部昇進が優位を占めるものの、女性の昇進機会は少ない半面、ほかの国の場合は、学歴の要素が強く労働市場は流動的で中途採用による昇進が多くみられるなか、女性の昇進機会は相対的に多い、という特徴が観察された。
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