国際比較上ドイツはストライキの発生頻度が少ない国に位置してきた。しかし近年、労働協約システムの変容に対応して、従来にない新しい形のストライキが発生している。本研究はとくに特徴的な新しいストライキの動向として以下の三つの傾向を分析した。第一は、協約脱退・協約不加入に伴うストライキである。第二は、使用者団体の攻勢が引き起こすストライキである。本研究では、小売業において2007年から翌年にかけて展開したストライキを分析した。第三は、事業所閉鎖にともなうストライキである。本研究はとくに、AEG社ニュルンベルク工場とフランクリン社ヴィトリヒ工場の工場閉鎖の事例について重点的に分析を行った。
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