本研究では、沖縄における南米系移民の進学率の高さに着目し、要因を解明するべく調査を行い、以下が明らかになった。沖縄の制度環境や社会関係資本が、移民若年層にとって進学に有利に働くことは確かだが、より大きな要因として居住の安定性がある。沖縄と本土の進学率の差には、確かに制度や親族サポートの違いにもよっているが、安定して居住していることが進学により強い影響を及ぼす。また、対象者の圧倒的多数は特別入試によって合格していた。国公立大学ではセンター試験という大きな障壁があるがゆえに、推薦入試がほぼ唯一の進学への経路となっている。これに対して、外国人入試のような取り組みが必要であることが示唆された。
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