ドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州において3つの自然エネルギー村でインタビュー調査を実施することができた。具体的には、ドイツで2番目に古いバイオエネエネルギー村であるマウエンハイム村、市民による電力会社として世界的に有名なシェーナウ市、そしてフライアムト村の3村である。それぞれの地点で村長(村長経験者を含む)にインタビュー調査を実施でき、自然エネルギー村のリーダーの動機を聞くことが出来た。 合計13人に対するインタビュー調査では、本研究で独特の視点といえる「価値的保守」の視点が有効である傾向が見られ、保守的な地域における環境運動の特殊性が明らかになったといえる。バーデン・ヴュルテンベルク州では、宗教と関連を持ちうる「価値的保守」が自然エネルギー事業を分析にあたって有効であるという知見を得た。また、「協同体」などの組織の強さに関する語りも聞かれ、新たな分析視点を獲得することができた。
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