研究課題/領域番号 |
26380692
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研究機関 | 弘前学院大学 |
研究代表者 |
藤岡 真之 弘前学院大学, 社会福祉学部, 講師 (60405727)
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研究分担者 |
野尻 洋平 立教大学, 社会学部, 教育研究コーディネーター (40713441)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 消費社会 / 健康 / 曖昧さ耐性 / リスク / ナルシシズム / 清潔志向 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、健康リスクに対して、消費者がどのような意識を持ち、どのように対処しているかということを量的調査により実証的に明らかにすることである。3年計画の初年度である本年度は、次年度に実施を予定している本格的な量的調査に向けて、基礎的な作業として次のことを行った。(1)先行研究の検討(2)仮説の設定と質問紙の作成(3)小規模調査の実施。 (1)に関しては、健康の社会学、リスク社会論、曖昧さ耐性に関する文献を改めて読み込み、健康リスクに関する問題についての理論枠組、問題設定の明確化、精錬化を行った。また、この作業は、論文、学会発表等に反映されている。 (2)に関しては、(1)の作業を受けて、仮説を設定し、質問紙を作成した。主な仮説は次のものである。(ア)東日本大震災以前と比べて、健康行動の高まりがみられる(イ)曖昧さ耐性は、健康行動と健康不安のそれぞれに対して異なる影響をもたらす(ウ)人々のナルシシズム的な側面が健康行動との結びつきを持っている(エ)清潔志向には儀礼的な側面が含まれている。 続いて行ったのは、作成した質問紙を用いたパイロット調査である。この調査は11月中旬から12月の初旬にかけて小規模のサンプルを対象に行った。サンプルは、研究代表者、研究分担者、研究協力者の4名の、それぞれの知人等で、サンプル数は216である。内訳は、18歳~39歳までの若年層サンプル169、40歳以上サンプル45で、男性87、女性129である(年齢は一部不明)。 調査実施後は、データ分析を行い、質問項目の適否を検討した。このパイロット調査のサンプルはランダムサンプリングによって抽出したものではないため、分析の精度に限界はあるが、尺度の信頼性の確認、変数間の関連を中心に検討し、次年度に行う本調査に向けた質問紙の確定作業を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、当初の計画通り、(1)先行研究の検討、(2)質問紙の作成、(3)小規模調査の実施、のそれぞれを順調に進めることができた。質問紙の質問項目については、まだ完全には確定しきれていないが、ほぼ目処はついており、本調査の実施に向けて今後大きな困難が生じることは考えにくい。また、(1)で行った理論的検討は、論文、学会発表等の形での成果とも結びついている。
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今後の研究の推進方策 |
平成27度の大きな作業は、本調査の実施であるが、この調査に先立って、本年度検討した質問項目の微調整を行い、質問紙を確定させる必要がある。しかし、この作業はほぼ目処がついているため、大きな問題は生じないと思われる。この作業の終了後、9月に東京を中心とした首都圏で、回収サンプル数500以上を目標に本調査を行う予定である。調査終了後は、集計されたデータの分析を行い、論文、学会発表につなげるべく、仮説の検証を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費において、節約のために宿泊費を抑えたため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の旅費として使用する。
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