研究課題/領域番号 |
26380694
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研究機関 | 聖徳大学 |
研究代表者 |
高尾 公矢 聖徳大学, 心理・福祉学部, 教授 (50167483)
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研究分担者 |
赤羽 克子 聖徳大学, 心理・福祉学部, 教授 (90369398)
川口 一美 聖徳大学, 心理・福祉学部, 准教授 (00352675)
渡邉 敏惠 (楠永敏惠) 聖徳大学, 心理・福祉学部, 准教授 (90363788)
佐藤 可奈 聖徳大学, 心理・福祉学部, 助教 (90595894)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 孤独死 / 孤独死予備軍 / 社会的孤立 / 団地 |
研究実績の概要 |
わが国では、高齢化や核家族化の進行に伴い、高齢者単身世帯や夫婦世帯が増加している中、都市部の団地を中心に、地域社会から孤立した状態で死亡する高齢者の孤独死が社会問題となっている。防止対策には、地域住民、専門機関、行政の包括的ネットワークの構築が喫緊の課題であるが、現状では未整備の状況にある。 本研究は、①都市部の団地における高齢者単独世帯が孤立する生活実態を明らかにする、②孤独死防止対策の観点から既存のネットワークの現況や課題を明らかにする、③新たな孤独死予備軍の生の救済に向けた地域住民、専門機関、行政を交えた包括的なネットワークのモデルを提示することを目的とする。 平成26年度は、千葉県八千代市村上団地に居住する全住民を対象に質問紙法による量的調査を実施した。 平成27年度は、都市部の団地における孤独死予備軍救済のためのネットワークのあり方を検討することを目的として、平成26年度の質問紙調査の結果をもとに65歳以上の単身高齢者を抽出し、社会関係と孤立感を把握するために面接法によるインタビュー調査を実施した。対象者は、団地自治会、民生委員、孤独死防止協力員等の協力を得て、属性別に20人を選定し、半構造化面接法によるインタビュー調査を行った。インタビュー記録の逐語録をもとにKJ法による分析を行った結果、単身高齢者は社会関係が希薄で孤立状態にあること、概して男性は女性に比べ孤独感が強いこと、また社会関係の協力基軸や孤立感は、年金や貯蓄など老後の蓄え等によって大きく左右されることなどが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、①都市部の団地における高齢者単独世帯が孤立する生活実態を明らかにする、②孤独死防止対策の観点から既存のネットワークの現況や課題を明らかにする、③新たな孤独死予備軍の生の救済に向けた地域住民、専門機関、行政を交えた包括的なネットワークのモデルを提示することを目的としている。 平成26年度は、千葉県八千代市村上団地に居住する全住民を対象に質問紙法による量的調査を実施した。 平成27年度は、都市部の団地における孤独死予備軍救済のためのネットワークのあり方を検討することを目的として、平成26年度の質問紙調査の結果をもとに65歳以上の単身高齢者を抽出し、社会関係と孤立感を把握するために面接法によるインタビュー調査を実施した。千葉県八千代市村上団地に居住する65歳以上の単身高齢者の住民を対象とし、団地自治会、民生委員、孤独死防止協力員等の協力を得て、属性別に20人調査対象者を選定して、半構造化面接法によるインタビュー調査を実施した。調査項目は以下のとおりである。①社会的背景、②家族関係、③親族関係、④友人、知人関係、⑤近隣関係、⑥生活観、⑦その他の関連要因等である。インタビュー記録の逐語録をもとにKJ法による分析を行った結果、単身高齢者は社会関係が希薄で孤立状態にあること、概して男性は女性に比べ孤独感が強いこと、また社会関係の協塾や孤立感は、年金や貯蓄など老後の蓄え等によって大きく左右されることなどが明らかとなった。今後更なる分析を行うことで、社会的孤立状態が生じる要因を検討し、生の救済に向けた包括的ネットワークモデルを提示することができると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、平成26~27年度に実施した質問紙調査、インタビュー調査の更なる分析を行う。 研究最終年度のため、研究成果報告書を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度に実施したインタビュー調査について、当初の計画では千葉県内の2つの団地での調査を実施予定であったが、実際は1団地での実施となった。このため、調査にかかる諸費用が減額となり、次年度使用額が生じることとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度も引き続き、インタビュー調査への協力者を求め、協力者が現れた場合は適宜インタビュー調査を実施する予定である。そのため、その調査にかかる諸費用に使用する予定である。
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