グローバル化の進展を1つの背景として、著しい発展を達成し、世界システムにおける半周辺へと上昇したマレーシアを事例として、反システム運動(民族解放運動、労働運動、および「新しい社会運動」)について理論的・経験的研究を実施した。主な知見は、以下のとおりである。 (1)民族解放運動については、HINDRAFというインド人組織がイギリスの植民地主義を告発するラディカルな運動を展開している。(2)労働運動については、マレーシアにおいてはその「周辺性」が大きな影響を及ぼしており、期待される活性化が不十分である。(3)「新しい社会運動」については、環境保護運動が活性化しており、とりわけ華人が主体化している。
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