本研究は日本の西洋料理の発展経路について史料とオーラルヒストリーの収集によって比較研究をすることを目的とした。日本人シェフによるフランス、イタリア、スペインの料理をめぐる組織フィールドの発展について、能力形成システムの制度化、同業者間の自生的なネットワーク、シェフのアイデンティティと戦略的自己呈示、欧州における日本人コックの需要と供給に焦点をあてて分析を行った。日本における西洋料理の組織フィールドは、各国の外国人労働者政策、地域特性、ガストロノミーの趨勢の影響を受けながら発展をとげてきた。本研究ではこれらの組織フィールドの発展経路における一般性と固有性について考察した。
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