研究課題/領域番号 |
26380703
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
西野 理子 東洋大学, 社会学部, 教授 (50257185)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 社会学 / 家族社会学 / パネルスタディ |
研究実績の概要 |
研究計画の初年度にあたり、第一にデータの整備を進め、第二に分析技法を確認し、第三にまずは夫婦関係に焦点をあてた分析を開始し、書籍の刊行計画を立案した。 データの整備は、3つの作業を行った。まず、サンプル、回答、質問などの抜け落ちを確認し、データセットを完成させた。つづいて、変数の基本分布を確認した上で必要な変数を加工・作成した。最後に、データの重みづけ加工のプログラムを依頼して作成した。本研究はパネルデータを活用するものであるが、パネルデータを分析する際に問題になるのが、サンプリングによる偏り、ならびに追跡過程によるデータの偏りである。追跡開始時点ならびに追跡過程の2つの脱落への対応を、本データに即して考案された方法に従ってそれぞれを修正するプログラムをつくっていただき、それを使えるようにした。 並行して、活用すべきパネルデータの分析技法を確認した。近年ではパネルデータ分析の成果が多数報告されており、固定効果モデル分析やランダム効果モデル分析をはじめとする技法が標準化されつつある。これらの技法を利用できるソフトも充実している。ただし、1時点データと比較してデータが複雑であるがゆえに、注意すべき点も多い。それゆえ、本研究で使用するデータに各種技法を適用する際の注意点などを、専門家に相談して確認した。 そして、初年度は夫婦関係に絞って分析に着手した。その成果は、日本家族社会学会全国家族調査委員会の家族社会学パネル研究会で2月に報告した。その成果をふまえて、本研究の成果を公表すべく、夫婦関係の推移をテーマとした書籍の刊行計画を立てた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に従い、データの整備、補正データのプログラムの整備までは終了した。 夫婦関係の分析にも着手して、目的である書籍の刊行の計画を立てる段階に達している。
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今後の研究の推進方策 |
2015年度は、夫婦関係の分析を進め、書籍の刊行準備も具体的に進める予定である。 そのうえで、次の親子関係、きょうだい関係の分析のうち、まずは親子関係の分析を開始したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度に分析に使用するPCを購入する計画であったが、Windowsの基本ソフトが近々更新されるという情報があり、その更新を待ってPC購入を控えていたところ、その更新が初年度内に実現しなかったため、PCをまだ購入できていない。 また、専門家に研究上の教示を受けるための旅費を計上していたが、専門家が東京に来た機会に会うことができたために、旅費を使用しなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
Windowsの基本ソフトの更新の正確な情報を確認の上、適切な時期にPCを購入する予定である。また、分析に使用するソフトSTATAもバージョンアップが行われたので、そのバージョンアップを行う予定である。
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