研究課題/領域番号 |
26380703
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
西野 理子 東洋大学, 社会学部, 教授 (50257185)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 全国家族調査 / パネルデータ / 夫婦関係 |
研究実績の概要 |
全国家族パネル調査のデータ分析を行い、縦断パネル技法を活用することにより、日本の家族の動態を明らかにすることを目的としている。本年度は、統計ソフトSTATAのバージョンアップを行うとともにPCも新規購入し、分析を大きく進めた。 その成果は、H28年2月に東洋大学において研究会を開催し、2つの報告を行った。1つは、「いつも夫婦は助け合って生活しているか」と題して、満足度やコミュニケーション頻度、サポート認知などの夫婦関係測度の継時的変化の基本的側面を確認した。もう1つは、「子どもの巣立ちを夫婦はどう迎えるか」で、子どもの学校卒業、就職、結婚、離家といったイベントを夫婦がどのように経験し、またそれを契機として配偶者との関係に変化がみられるかどうかを明らかにした。 研究代表者が報告を行うだけでなく、以前から共同してプロジェクトを担っていた研究者にも分析を依頼しており、研究会では代表者以外にも10名が夫婦関係を扱った分析結果を報告した。就労や家事を配偶者とどのように分担しているのか、また、子どもの誕生や子どもの思春期、定年退職、孫の誕生というイベント経験を機に配偶者との関係がどのように変化しうるのかを、パネルデータ分析を通じて明らかにした報告が行われた。研究会参加者で、分析技法の精度を確認するとともに、結果の相互検証と行い、さらに個々の考察を巡って意見交換をした。 この研究会後には、研究代表者と個々の分析者とが分析の方針について個別に相談を行い、最終的な成果の方向性を確認した。あわせて、家族研究のニーズについて、出版社からの情報収集も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
夫婦関係と親子関係、その他(きょうだい関係など)領域まで分析してその成果を公表する計画であるが、現時点で十分に分析を進めているのは夫婦関係である。親子関係の分析ならびにその他の領域の分析があまり進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度であり、ここまで分析を進めた夫婦関係について、精度の高い成果を出版物として刊行する。親子、きょうだい関係についても、データ加工を行い、少なくとも分析の方向性を提示するところまでは進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
分析結果の最終的なチェックを専門家に依頼するのが遅れており、そのために専門的な知識の提供への謝金が翌年度送りになった。
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次年度使用額の使用計画 |
分析結果の最終的なチェックを新年度の早い時期に行い、専門的な知識の提供への謝金を支出する。
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