本研究は、ニューヨーク市におけるバングラデシュ出身の女性移民労働者の実態を分析することを目的として、先行研究の分析と実態調査を行っている。グローバリゼーションに伴う国際労働移動は、農村内で過ごすことが一般的であった女性たちをも巻き込みながら展開している。彼女たちの移民労働の目的は、子どもたちや兄弟姉妹の教育や就業機会拡大のためである。調査対象の女性たちは、バングラデシュではいわゆる中産階級に位置していたものの、移動先では、不安定な労働者階級におかれている。その雇用形態は、未熟練ゆえ、非正規雇用の労働に限定されている。そのため、高騰する家賃の支払いなど、重い生活費の負担に悩まされている。
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