出生前診断で陰性とされながら障がいある児を出産した母親に特徴的な困難やニーズ、望ましい情報提供及び支援のあり方を明らかにすることを目的とし、量的調査・質的調査を実施した。出生前診断の受診率は11.8%で、78.4%が特に問題がないとされ〈検査陰性〉、出産に至っていた。こうしたケースの多くは出生前診断の対象でない自閉症スペクトラム等の発達障がいであったが、出生前診断が可能なダウン症に関しても、半数は陰性と判断されていた。自由記述及び質的調査からは、子の障がいの可能性や出生前診断についての情報提供が十分でないことが語られた他、自閉症スペクトラムを対象とした出生前診断を望む声も聞かれた。
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