①文献補足調査(医療化と「死の医療化」に関する先行研究の収集と検討):昨年度に引き続き、国内外の医療社会学を中心とした理論研究および実証研究の文献を収集し、内容を検討した。また、関連の学会(福祉社会学会、日本緩和医療学会、日本死の臨床研究会、仏教看護・ビハーラ学会、日本生命倫理学会)に参加し、関連研究の動向の把握に努めた。 ②ホスピス・緩和医療を対象とする診療報酬制度に関する資料の収集と検討:2015年7月に施行されたホスピス・緩和医療の診療報酬制度に関する法制関連資料、運営関連資料、関連文献、後続の診療報酬制度(緩和ケアチーム、在宅ホスピス)のモデル事業関連資料、その他関連文献を収集し、内容を検討した。 ③「ホスピス・緩和医療及び臨終過程にある患者の延命医療決定に関する法律」に関する資料の収集と検討:2016年1月に成立したホスピス・緩和医療と延命医療決定について定めた法律に関する法制関連資料、施行令・施行規則に関する資料、施行準備状況に関する資料、公聴会や討論会の資料、関連文献を収集し、内容を検討した。また、政策の委託研究を実施する研究院において、法の施行準備状況についてヒアリングを行った。 ④老人療養病院および老人療養病院でのホスピス・緩和医療の実態や問題に関する資料を収集し、検討した。 ⑤ヒアリング調査の実施:4ヶ所の老人療養病院でヒアリング調査を実施した。調査では、施設代表者による施設運営状況の聴取と、患者の終末期の対応方法やホスピス・緩和医療制度・政策、ホスピス・緩和医療診療報酬適用モデル事業の準備・実施状況などについてのヒアリングを行い、研究主題の分析に必要なデータを収集した。
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