研究課題/領域番号 |
26380720
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
南川 文里 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (60398427)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 多文化主義 / 多文化社会 / アメリカ合衆国 / 歴史社会学 / 国際情報交換 |
研究実績の概要 |
本研究課題の1年目にあたる平成26年度は、「アメリカ型多文化主義」をめぐる基礎的枠組の構築と資料収集を中心に進めた。「アメリカ型多文化主義」の基礎的枠組については、多文化主義をめぐる基礎的な文献研究を進めるとともに、日本における「多文化共生」政策との相違に注目することで、アメリカ的多文化主義の独自性を議論する研究報告を、国際社会学会(ISA)の世界社会学会議で行い、海外から参加した研究者とも議論を深めることができた。また、社会学者ジェフリー・アレクサンダーが提案する編入様式(modes of incorporation)論を批判的に検討するとともに、アメリカ型多文化主義を、アメリカにおける文化的多様性と社会統合を目指す政策・運動・思想の歴史的展開のなかに位置づける研究を進めた。一方で、具体的な実証研究の一つとして、第二次世界大戦後の在米日系人コミュニティの変化とアメリカの多文化社会の展開との関係を考察するプロジェクトにも着手し、サンフランシスコ等で資料収集を行った他、日本アメリカ学会、アメリカ研究学会(ASA)でその研究経過について報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理論面では計画どおりに進行している。実証面では、西海岸の事例を扱った調査研究が進展したが、連邦レベルでの検証については、H27年度に資料収集を進める。
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今後の研究の推進方策 |
まず、理論面での達成を研究成果として発表する。多元的な社会のあり方をめぐるアメリカ合衆国における議論を整理するとともに、アメリカ型多文化主義の独自性を明らかにするとともに、その歴史的・現代的なあり方についても明らかにしたい。また、そのような研究の一環として、アメリカ多文化主義の枠組における移民政策や移民排斥運動についても、ヒスパニックの事例を中心に議論を進める。一方で、歴史社会学的な実証研究としては、これまで蓄積した西海岸都市部の人種関係をめぐる事例研究を基盤としながら、連邦レベルでの政策形成・展開過程を明らかにするべく、資料収集を進める。
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