本研究では日本の自治体の観光まちづくりにおける阻害要因や葛藤・軋轢などについて理解する為に、日本の全自治体へのアンケート調査と10ヶ所の現地調査をおこなった。観光まちづくりに取り組む自治体は95.9%で、観光まちづくりが自治体の重要な政策になっていることがわかった。アンケートで明らかになった阻害要因の主なものは人材、観光との距離感、地域住民の意識差、葛藤・軋轢、合意形成、地域像・表象、観光資源、財源に関するものであった。現地調査では、人間関係、団体間における葛藤・軋轢が観光まちづくりに現れることが語られたが、どのようなプロセスで生起するのかはさらなる研究が必要である。
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