研究課題/領域番号 |
26380741
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
垣田 裕介 大分大学, 福祉社会科学研究科, 准教授 (20381030)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 貧困 / 生活困窮者 / 生活保護 / ホームレス / 社会的包摂 |
研究実績の概要 |
平成28年度に実施した研究は、前年度に引き続き、平成27年4月にスタートした生活困窮者自立支援制度について、各自治体における実際の運営状況や支援効果などのの調査を行った。あわせて、既存の生活保護制度やホームレス支援策を含めた検討を行った。 具体的には、本事業の1年目から調査を実施している自治体について、個別ケースの支援実践の経過や状態変化を継続的に調査するとともに、支援員に対するインタビューも引き続き積み重ねた。さらに、前年度と同様に、都道府県の役割を検討する観点で、前年度に訪問調査を行った県を対象として追加的な訪問調査を行った。 あわせて、平成28年度は、本研究事業で検討対象としている生活困窮者自立支援制度について、見直しのための検討会が平成28年10月に政府に設置され、今後のあり方に関する諸論点が提起された。さらに、平成29年の期限を控えるホームレス自立支援法については、延長を求める議論も提起されるなど、行政や支援現場を交えた政策論議が活発化しつつある。このようにリアルタイムの政策転換の局面において、行政や支援団体、研究者等との意見交換をふまえつつ、今後の課題や展望に関する分析や検討を行った。 研究実績の発信にも積極的に取り組み、具体的には、国内学会や国際会議において研究成果の発表を行うとともに、執筆した論文を学会誌等に掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究経過について、計画していたインタビュー調査、ケースデータの継続調査が順調に進み、研究目的や研究実施計画に記した研究を実施することができた。 研究成果について、国内学会や国際会議において発表を行うとともに、執筆した論文を学会誌等に掲載した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究事業で検討対象としている生活困窮者自立支援制度について、見直しのための検討会が平成28年10月に政府に設置され、今後のあり方に関する論点が出揃いつつある。さらに、平成29年5月には、生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の見直しを検討する部会が社会保障審議会でスタートする予定となっている。 あわせて、平成29年8月に期限を控えたホームレス自立支援法についても、行政や支援現場を交えた議論が活発化してきている。 以上の事情をふまえ、補助事業期間の延長を申し出て認められたところであり、平成29年度も引き続き、研究目的や研究実施計画に記した研究の実施と分析の深化を図りたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究事業で検討対象としている生活困窮者自立支援制度について、見直しのための検討会が平成28年10月に政府に設置され、今後のあり方に関する論点が出揃いつつある。あわせて平成29年8月に期限を控えたホームレス自立支援法についても、行政や支援現場を交えた議論が活発化してきている。 このような事情をふまえ、補助事業期間の延長することにより、本研究事業の内容をいっそう深化させることができると判断したため。
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次年度使用額の使用計画 |
上記の理由によって補助事業期間の延長が認められたことから、平成29年度を最終年度として、本研究事業の研究成果の取りまとめに向けた作業を展望しつつ、前年度までに訪問調査を重ねている自治体での調査を継続して実施する。
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