本研究は、次の3点を目的とした。それらは、(a)「精神障害者雇用に対する事業主の態度尺度評価・改訂版」(ATEPII)の構成概念妥当性の検討、(b)ATEPII-SFの開発、およびその信頼性と妥当性の検証、(c)上記(b)の結果に基づく、精神障害者を新たに雇い入れる事業主の支援に役立つモデルの提案である。ATEPII-SFの確認的因子分析の結果から、ATEPII-SFの構成概念妥当性は受け入れ可能な範囲内であった。さらに、事業主の態度構造間(雇用意欲、信頼、活動制限、および注意配分)の因果分析の結果から、精神障害者に対する事業主の信頼が、事業主の雇用への意欲に影響する可能性が示唆された。
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