本研究の目的は、介護保険制度の利用者を対象とし、認知症治療がリハビリテーション(以下、リハ)への参加状況に及ぼす影響を明らかにすることである。1年目に初回調査、約1年後に追跡調査を行った。調査内容は、身体機能、認知機能、服薬状況、および要介護度等である。現時点で、データセットを終えたデータ数は、ベースラインにおいて224人、約1年後のフォローアップ調査は、合わせて167人である。リハ参加状況が「良好」よりも、「不良」である参加者の方が、抗認知症薬を処方された割合が高かった。より重度の認知症者が、認知症治療を受けている可能性が高く、認知機能低下の重症度を共変量としてより詳細な分析が必要である。
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