研究課題/領域番号 |
26380745
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研究機関 | 新潟県立大学 |
研究代表者 |
小池 由佳 新潟県立大学, 人間生活学部, 准教授 (90352781)
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研究分担者 |
角張 慶子 新潟県立大学, 人間生活学部, 准教授 (50389946)
斎藤 裕 新潟県立大学, 人間生活学部, 教授 (90215567)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 地域子育て支援 / つながらない / 少子地域 |
研究実績の概要 |
本研究は地域子育て支援において、親が支援につながることの阻害要因を明らかにすること及び親が支援につながることができる「支援モデル」の構築をめざすことを目的としている。 初年度である平成26年度は地域子育て支援へのつながりにくさについて、以下の2点の研究を行った。第1は平成25年度に実施した予備調査に基づく支援へのつながりにくさの要因分析である。内容は、回答者の基本的属性、子育て相談の利用状況、気になることがあったが利用しなかった理由等であり、子育て相談の内容別に得られたデータを量的に分析した。その結果、子育て相談はその相談内容がつながりにくさを生み出す要因となっていることが示された。具体的には(1)子どもへの関わり方や子どもの成長や発達といった子育てそのものに関する内容については、阻害要因が少ない(2)パートナーとの関係や親自身の健康状態、一時保育等のサービス利用等については、つながりにくさが生じており、何らかの阻害要因が存在している、(3)相談内容によっては、親の年代や子どもの数等がつながりにくさの阻害要因になっていること、である。第2は、質的調査の結果分析である。同予備調査の自由記述でみられた子育て相談の課題について分析を行った。結果、(1)気軽に相談できる場所が求められていること、(2)保健師等の専門職のあり方について等の課題が生じていることがわかった。以上の結果から先行研究で示されていた「支援につながらない要因」における個人的要因・社会的要因・不適切な対応が子育て支援分野でも生じていることが明らかとされた。以上の研究実績は、地域子育て支援における「支援モデル」構築に貢献する根拠となる。 また、平成27年度計画の調査対象地域を訪問し、各地域の子育て支援状況について把握することに努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究目的は、地域子育て支援におけるつながらない要因について予備調査からの分析を行い、その結果から平成27年度に実施予定の質的・量的調査の基礎データを把握すること及び調査モデルの設計を行うことであった。 支援につながらない要因分析の基礎的なデータ分析を行ったことは、目的を達成することができた。相談内容の違いによるつながりにくさを明らかにすることができたことは、今後の支援モデル構築に提言することができる内容である。量的調査の分析については、現在も継続中である。特に子育て相談につながらない要因として掲げた、少子地域であるか否かについての分析は引き続き実施中である。予備調査としてはすでにデータがあるが、何を基準に「少子地域」か否かの区分を行うか(人口規模か18歳以下の人口数か等)を精査した上で分析に取り組むことを目的に継続中となっている。 以上のことから、本年度の自己点検による評価は「おおむね順調に進展している」と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に引き続き、地域子育て支援におけるつながりにくさの要因分析を行う。 これまでの調査結果に基づき、本年度は「少子地域」に焦点化したアンケート調査及び質的調査を実施する。対象は(1)中山間地、(2)離島、(3)都市化による人口空洞化により子どもの人口気が減少している地域で子育てをする親及び支援者である。調査方法は、アンケート調査及びヒアリング調査を予定している。調査の実施及び結果の分析が今年度の研究推進方策となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該助成金が生じた状況として、(1)物品購入種類の変更、(2)旅費の未使用が挙げられる。(1)は購入予定品を同一機能で安価なものに変更したためである。(2)の旅費の未使用については、平成27年度調査予定地域への支出が抑えられたためである。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度は、調査予定地域への訪問を行うため、平成26年度使用分も含めて、有効に活用していく計画である。
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