少子地域の地域子育て支援サービスの利用状況について、保護者の特性及び祖父母との同居、近居、出身地での子育てか否かが利用状況に影響していることが明らかとなった。2018年度は家族や近隣との関係が比較的残っている地域を対象とした追加調査を行った。地域子育て支援サービスの量及び内容に関する満足度については、社会状況を加味し、経済的支援及び多様な居場所についての質問を追加して実施した。 アンケート結果から、地域子育て支援サービスの利用状況について、親子の交流の場は2割、子育て相談は4割、一時預かりは8割に利用経験がなかった。その理由について、親子の交流の場は「利用できない」、子育て相談、一時預かりは「必要ない」が最も多い選択肢となった。結果の傾向では他地域と同様の傾向が見られた。また、サービス(子育て相談・親子交流・一時預かり・情報提供)の満足度については、「満足」層と「不満足」層がほぼ同程度の割合を示す結果であり、これも他の地域と同様の傾向であった。一方、本調査で新たに加えた経済的支援に対する満足度は6割以上が「不満足」層であった。この点を深めることは今後の課題でもある。サービス(ファミサポ・家事援助・訪問支援・相談窓口の一本化)の必要性の結果も、他地域とほぼ同様の傾向が見られた。本調査で追加した「夕方以降の親子の遊び場」「親子で利用できる食事の場」は、前者は3割、後者は8割において必要であると回答した。 ヒアリング結果では、特に一時預かりにおいて特徴が見られた。祖父母と同居・近居の家族が多く、必要が生じた時には祖父母に委ねることが優先されていた。預けることそのものに対する強い抵抗感や自身を他者に我が子を預けなければいけない「要支援者」と認知することへの葛藤も見られた。この点は、親子の交流の場と一時預かりを併設している他地域へのヒアリング調査結果との違いが明らかであった。
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