本研究は、国際比較を通じて日本の生活保護制度の水準を相対的に把握し、今後の生活保護をめぐる議論の材料を得ることを目的とした。現地調査を通じて、食費、日用品の共通のパッケージを作成し、家族モデル別の社会扶助の給付額と比較した。イギリスと日本を比較した場合、イギリスの方が社会扶助の水準が高いという結果が得られた。現実の生活の多様化・差異を踏まえてさらなる検討が必要である。EU離脱後のイギリスの社会保障政策の見通しについての知見やEU諸国において「レファレンスバジェット(reference budgets :RBs)」の研究が進んでいることなど学術的な動向を確認した。
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