研究課題/領域番号 |
26380760
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研究機関 | 東北文化学園大学 |
研究代表者 |
村田 道彦 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 准教授 (60413423)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 介護サービス事業所 / パートナーシップ / 海外進出 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、海外に進出する福祉サービス事業所の現状や課題を明らかにし、海外で働くグローバルな福祉専門職の人材育成や実現可能な多角的視点を含む実践プログラムを作成し、広く一般の専門職に普及させることである。そのため、平成27年度は、①既存研究の文献サーベイとして、日本企業と海外企業の意思決定に与える影響を検討している書籍と論文を対象に文献研究を行った。具体的には、事業所の設立、契約交渉、運営・マネジメント等を整理し、関連する現地の制度や生活習慣、文化等の情報を収集し、本研究の作業モデルを考案した。また、海外の現地大学に属する専門家、現地の歴史に詳しい担当者と意見交換を行った。次に、②プログラム開発のための基礎的資料を収集するために、海外進出を志す企業を対象に、現状や課題を把握することから始めた。海外の地域特性に応じた日本国内および海外に拠点を持つ介護サービス事業所の実態を調査した。また、現地でのパートナーシップ企業とのマッチングに注目し、日系企業の海外事業担当者の経験を構成するカテゴリーを生成し、カテゴリー間の関係を図式に表し、その構造と過程を可視化した。これらの分析結果から、作業モデルを修正、細分化する必要があり、さらに収録した国内の企業と海外に拠点を置く事業所のデータを比較することで、どのような人材が求められるのか、作業の違いや共通点を考察し、本研究で提案する作業モデルの妥当性を検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は研究協力者の支援により、関東地区、関西地区の事業所に訪問し、多くの実践活動を行うことができた。また、海外では中国の主要都市を訪問した実践活動や現地の研究協力者との情報交換を行った。それらの情報を分析し、海外事業担当者の作業モデルの検証や、さらなる精緻化の可能性および幾つかの課題に関する知見を得た。これらの成果から、研究目的である「労働環境および教育支援体制の実態を把握する」研究活動を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、昨年度及び今年度に収集するデータをもとに分析し、国内や海外事業所とその地域との連携強化等、多角的な視点から検証するとともに、教育的支援プログラムの活用方法を模索する。また、本研究で得られた研究成果について、国内外の学会で発表し、論文を投稿する。さらに、研究対象事業所の職員に対して調査や測定の結果報告会などを行う予定である。
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