研究課題/領域番号 |
26380763
|
研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
仁科 伸子 熊本学園大学, 社会福祉学部, 准教授 (30707683)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | エンパワメント / アメリカ / コミュニティ・ベースト・オーガニゼーション / シカゴ / 社会的排除 / インテグレーション |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、社会的に排除されパワーレスの状態にある人々が、エンパワメントによって住民として地域社会に参加し、地域の力となっていくプロセスと要因について探求することである。シカゴ市北西部のヒスパニック系住民が暮らすローガンスクエア地域では、コミュニティ・ベイスト・オーガニゼーションが地域に介入し、地域の移民家庭の母親たちが地域の学校教育をサポートするプログラムを開発して実施したことによって、参加者自身がエンパワメントされて地域のために働く人材となって活躍している。 2014年度には、インタビュー調査を実施してこの活動への参加者の経験とエンパワメントの実態を聞き取った。2015~2016年度には、活動経験者へのアンケートと調査を実施して、エンパワメントの実態を量的に把握した。これらは、以下の研究発表及び論文等として取りまとめた。今後は、アンケートの結果を統計学的に解析し、エンパワメントの量的把握及び要因分析、プロセスを明らかにすべく研究中。 【成果】 「就労を通じた女性のインテグレーションの過程に関するインタビュー記録 ―ペアレント・メンター事業参加者のインタビュー結果―」『海外事情研究』第43巻第1号(通巻86号) 熊本学園大学付属海外事情研究所(131-143)<2015年9月>、「アメリカ人口減少都市地域における衰退とソーシャル・エクスクルージョンの過程-住民の語りからみるイングルウッド・コミュニティ・エリアの半世紀-」『社会福祉研究所報』第45号 熊本学園大学付属社会福祉研究所(41-64)<2017年3月>、コミュニティ政策学会江戸川大学大会「シカゴのコミュニティ・ベイスト・オーガニゼーションの実態と考察」(2016年7月2日)、日本福祉のまちづくり学会第18回全国大会東京大学柏キャンパス「移民第一世代女性のインテグレーションの過程と要因」<2015年8月9日>
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地コミュニティ・ベースト・オーガニゼーションの協力によりスケジュール通り進んでいる。2016年度分の成果については、震災により、発表するはずだった論文の掲載誌が発刊停止となり、発表することができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
アンケート調査は200票回収を目標としていたが、300票回収できた。現在、入力作業を終えて一次分析を行っている。一次分析結果は、2017年5月に研究ノートとして日本語で投稿し、その後引き続き分析を行って、英文の論文を投稿する予定である。
|