研究課題/領域番号 |
26380773
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
秋山 美紀 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 教授 (50439254)
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研究分担者 |
佐野 喜子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (20399603)
武林 亨 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (30265780)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 在宅栄養指導 / スマートフォンアプリ / 在宅ケア / 食事カメラ |
研究実績の概要 |
在宅ケアの担い手が日常的に日々の食事や栄養について携帯端末を使って記録や相談ができるトータルなプログラムを開発し、運用可能性を検討してきた。最終年度の2017年度は、(1)機能を追加したアプリケーションの実証、(2)当該アプリを使ったサポート職種を対象にフォーカスインタビューを行い、今後の展開の可能性やフィージビリティを確認した。 (1)アプリケーション実証実験:昨年度までに出た課題を踏まえ、食事以外のヘルスデータを取り込める拡張機能を持ったアプリケーションを、在宅高齢者5名に1週間使ってもらい毎食の記録を送信してもらった。終了後にインタビューを実施し、ユーザビリティ、利用によって得られた主観的効用、支払い意思額を尋ねた。1日あたりの支払意思額は50円~300円で、毎食撮影する負担は大きいので夕食のみ、または月に4回程度使いたいという希望が聞かれた。また食材等のアドバイスは、どこで買えるのかという情報も合わせてもらえれば便利であるとの意見が出た。 (2)フィージビリティの検討:当該アプリの利用経験がある在宅ケアに関わる計12名の専門職種にフォーカスグループインタビューを実施し、使用したケースから感じられたメリットや、利用シーン拡大に向けた課題を抽出した。その結果、サービス展開にあたっては、栄養指導の支援をする専門職の人的コストがサービス展開のネックであることが確認された。専門職が頻繁に介入しなくても、介護者同士が相互に励ましあえるような仕組みがあるだけで心理面のストレスが緩和され意義が大きいことも示唆された。また将来的には、カロリーはAIが自動で計算し、専門職は動機付けの声がけに徹することができれば、人的リソースとコストの課題は解決できるのではないかという意見も出た。 研究期間全体の成果:在宅高齢者が簡単に使えるツール開発にとどまらず、サービス創出の可能性を示すことができた。
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