研究課題/領域番号 |
26380774
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
浅見 昇吾 上智大学, 外国語学部, 教授 (10384158)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 社会的養護 / アフターケア |
研究実績の概要 |
平成28年度は、下記の活動を行った。 【調査】計画通り3名の対象者に3回のインタビューを行った。インタビュー記録は、昨年度同様、文字原稿に変更し、研究会で検討を行った。自活の難しさ、金銭管理の難しさ、離職にまつわる様々な出来事に関して当事者の考えを直接聞くことができたのは、貴重だった。また、研究会で検討することで、多面的な観点から、アフターケアや施設内でのケアに関する貴重な示唆、自立支援コーディネーターの役割に関する貴重な示唆を得ることができた。 【研究会開催】平成28年度第1回研究会(9月21日)では、インタビューアーから第1回インタビューの報告がなされた後、検討会が行われ、金銭管理の問題、大学や職場での人間関係の問題について意見交換が行われた。その後、外部講師の講演と意見交換が行われ、子どもの社会情動的資質スキル(非認知スキル)を育てることの重要性、その方法について意見が交わされた。児童養護施設におけるケアにおいても、このスキルの重要性を強く認識する必要があることを確認できた。また、第2回研究会(2月12日)では、特別支援教育に実際に携わっている教員、地域福祉を研究している教員、看護師の資格を持ちながら大学で看護やケアの教育に携わっている教員を招き、多面的なサポートの可能性を探った。住居面のサポート等、実際のインタビューで判明した問題と直接つながる事柄もあり、サポートに関する知見を深めることができた。 【施設訪問】平成27年度には一つの施設しか訪問できなかったが、平成28年度には三回の施設訪問を行うことができた。大分、熊本の施設、福井、滋賀の施設、沖縄の施設を訪問し、社会的自立への支援について意見交換を行った。発達障害への対応の緊急性、地域毎の支援の多様性など、貴重な知見を得ることができた。 以上の活動により、最終的に調査内容をまとめるための土台を築くことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インタビューや研究会はおおむね順調に行われたが、最終インタビューが年度末に行われたため、 平成28年度内にインタビューのまとめを行うことができなかった。そのため、研究期間を一年間延長した。課題の進捗状況としては、やや遅れていると評価せざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
研究会を開き、必要に応じて視察を行いながら、インタビュー全体をまとめる予定である。自立支援コーディネーターの意見も参考にしながら、アフターケアにおける課題、アフターケアのあり方を探っていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究会において、外部講師の数が予定より少なかったこと、視察参加予定者が急遽同行を取りやめることがあったため、謝金や旅費の支出が少なくなった。また、最終インタビューが年度末だったため、インタビューのまとめに必要な研究会等を行えなかった。これらの理由のため、次年度使用額が生じることになった。
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次年度使用額の使用計画 |
研究会を複数回開催するとともに、必要に応じて視察を行いながら、インタビュー全体をまとめる予定である。特に自立支援コーディネーターの意見を参考にしたい。
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