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2015 年度 実施状況報告書

認知症高齢者への社会的支援に関する瑞日韓比較研究-国家戦略・制度・実践-

研究課題

研究課題/領域番号 26380777
研究機関東京経済大学

研究代表者

西下 彰俊  東京経済大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80156067)

研究分担者 小関 祐二  日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (10373127)
宣 賢奎  共栄大学, 国際経営学部, 教授 (90382796)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード認知症 / ケア / 非薬物療法 / スヌーズレン
研究実績の概要

2015年度に実施した3か国の認知症高齢者への社会的支援に関する研究実績は以下の通りである。まず、スウェーデンに関しては、コミューンによる認知症高齢者へのフォーマルな支援を調査するために、過疎地にあるエステルシュンド・コミューンの介護の付いた特別住宅3か所を訪問し、認知症入居者のケアの現状と問題点について調査を行った。2か所は、コミューンが運営している介護の付いた特別住宅であり、1か所は大手民間会社が委託を受けて運営している。スウェーデン認知症協会を訪問し、会長にインタビュー調査を行った。在宅で生活している認知症高齢者が認知症協会で展開している様々なプログラムに参加する現状を詳しく聞くことができた。韓国に関しては、国立認知症研究センターおよび認知症協会を訪問した。同センターでは、センター長にインタビュー調査を実施した。相談業務に特に力を入れており、24時間体制で認知症高齢者を介護する在宅介護者や認知症を患っている当事者からの相談を受け付けている。ただ、認知症高齢者への非薬物療法に関しては情報をセンターが集約することまではしていない。ソウル市の各保健所では、認知症高齢者への非薬物療法としてスヌーズレンが実施されているところが多いが、同市として情報の集約を行っていないようなので、今後、聞き取り調査を行うという課題が明らかになった。認知症協会においては、会長にインタビュー調査を実施した。協会では、認知症に関する研修活動に力を入れている。日本に関しては、認知症高齢者のグループホームの介護職員に対して、インタビュー調査を実施した。グループホームという小規模ケアの長所とともに、抱える問題点が明らかになった。どの国でも同じような問題を抱えているのであるが、施設ケアの中で、利用者の体調が急変した時に、誰がどのように緊急時対応すべきかという点で課題が山積していることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

スウェーデン、韓国、日本の3か国における認知症高齢者に対するフォーマルケアとインフォーマルケアのケアミックス、すなわち社会的支援に関して、研究計画通りに概ね進めている

今後の研究の推進方策

スウェーデン、韓国、日本の3か国に関して、認知症高齢者への社会的支援、すなわちフォーマルケアとインフォーマルケアのダイナミックなケアミックスを実証的に研究している。が、それぞれの国における認知症高齢者の介護に関する仕組みと現状、情報公開状況が異なるために、研究の進捗状況としては概ね順調に進めてきてはいるものの、共通の比較分析軸に基づいて有機的な比較が可能なところまで達しているかどうかという点については、やや課題が残る。
今後は、有機的な比較分析が可能な軸の措定を強く意識しながら、当初の研究計画通り研究を進めていくつもりである。

次年度使用額が生じた理由

スウェーデン及び韓国で得られた資料・データの整理にかかる費用を人件費として執行する予定であったが、アルバイト者が作業できる形に整えることができなかったため。

次年度使用額の使用計画

2015年度末に、ある程度、アルバイト者が作業できる形に整えることができたので、人件費として執行する予定である。2016年度の研究計画と同時に遂行していく予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 韓国における介護サービス供給の地域格差2016

    • 著者名/発表者名
      宣賢奎
    • 雑誌名

      『介護福祉研究』

      巻: Vol.23-1 ページ: 35-39

  • [雑誌論文] 韓国の長期療養保険制度の最新動向と課題2016

    • 著者名/発表者名
      宣賢奎
    • 雑誌名

      共栄大学研究論集

      巻: 第14号 ページ: 1-37

  • [雑誌論文] スウェーデンにおける基礎自治体の社会指標としてのKKiK2015

    • 著者名/発表者名
      西下彰俊
    • 雑誌名

      東京経済大学現代法学会『現代法学』

      巻: 第30号, ページ: 297-318

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] コミューンの性能を多面的に測定するツールとしてのKKiK2015

    • 著者名/発表者名
      西下彰俊
    • 雑誌名

      高齢者住宅財団編『いい住まい いいシニアライフ』

      巻: Vol.128 ページ: 20-33

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] スウェーデンと日本における高齢者ケアサービスの供給原則及びサービスの展望2015

    • 著者名/発表者名
      西下彰俊
    • 雑誌名

      高齢者住宅財団編『いい住まい いいシニアライフ』

      巻: Vol.129 ページ: 20-31

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] 訪問介護事業者の経営状況と収益性決定要因分析2015

    • 著者名/発表者名
      宣賢奎
    • 学会等名
      第28回日本保健福祉学会学術集会
    • 発表場所
      同志社大学
    • 年月日
      2015-10-03

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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