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急速に進む高齢化の下、わが国では介護保険制度等、家族介護者の負担軽減を意図した政策が進められてきたが、家族介護者については依然として心身の健康を損ねる傾向が指摘されており、家族介護者の支援に向けた基礎的資料の蓄積が求められている。家族介護者を効果的に支援するにはいかなる支援・施策が求められるのだろうか。本研究は、こうした問題関心のもと、男女家族介護者のストレス関連要因、心の健康を損ねた際のケア行動に関する実態とその関連要因等について、主に社会学的視点から検討を進めてきた。
本研究課題の実施最終年度となる平成28年度は、主として平成27年度までに得られた成果をとりまとめ、成果の発表を行うことを中心に実施した。具体的には、文献・資料調査、学会・研究会への参加等を通じて得られた既存の研究知見の中に本研究を位置づけ、独自に行ったデータ分析の成果を論文としてとりまとめ、International Sociological Associationや日本社会福祉学会など、国内外の学会等において発表を行った。また、家族介護者支援の現状と課題を検討するにあたり、国・自治体の家族介護者支援策について、専門家や行政関係者で許諾の得られた方へのヒヤリング等を通じて、情報収集を行った。
研究実施の過程においては研究会を実施し、研究代表者・研究分担者間において、とりまとめた論文や収集した資料等の成果をもちよって共有するとともに、各専門領域に依拠した視点から分析・検討を行うことを通じて、質の向上に努めた。
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