研究課題/領域番号 |
26380788
|
研究機関 | ヤマザキ学園大学 |
研究代表者 |
川添 敏弘 ヤマザキ学園大学, 動物看護学部, 准教授 (20439748)
|
研究分担者 |
山川 伊津子 ヤマザキ学園大学, 動物看護学部, 講師 (10618482)
堀井 隆行 ヤマザキ学園大学, 動物看護学部, 講師 (90618480)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 知的障害 / 問題行動 / 発達障害 / M-GTA |
研究実績の概要 |
1.施設での実践研究:フィールドワークとして施設職員と共にボランティア活動を行いながら研究を行った。まず、知的障害者施設での利用者の行動をビデオおよび参与観察により「不適切な行動」を記録した。さらに記録内容を障害者の問題行動の特徴により分類した。 2.質問紙調査:支援者の問題行動に対する意識と支援についての傾向をつかむことを目的として実施した。フィールドワークで記録、分類した内容を参考にアンケートを作成し、施設支援者20名に予備調査を実施した。その結果、質問紙の内容が利用者本位になっていない指摘があった。「問題行動」というのは支援者視点であり、「問題行動」ではなく「行動の問題」という視点で質問紙を作り直すべきであると指摘された。そこで質問内容を可能な限り利用者主体に訂正し、本調査として、東京、埼玉、千葉、山形の知的障害者支援施設の職員へ120名分のアンケートを配布した。4施設で80名ほどのデータを回収できた(有効回答でないものを含む)。属性やアンケートの一部を集計し、インタビューに活用することとした。 3.インタビュー:質問紙調査で支援の傾向はつかめるものの、その実態が把握できるものではない。そこで、より深い内容を理解するために半構造化したインタビューを実施した。24年度は予備的に実施することで、インタビュー内容を、今後、さらに整理していく予定である。まず、アンケートの結果を反映しながら知的障害者施設の職員4名への半構造化インタビューを実施した。質問紙を作るにあたって気づいた内容なども盛り込んだ。職員4名へのインタビューを行うことができ、2名分の逐語録を終了している。今後、M-GTA(モディファイド・グラウンテッドセオリー・アプローチ)を用いた分析を今後行い、問題行動に対する対応プロセスを明らかにしていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現時点では予定よりも順調に進んでいる。
しかし、M-GTAを用いた分析に予想以上に時間がかかることがわかってきた。今後、進捗が遅れる可能性があることを意識し、さらに早めに研究を進めていきたいと考えている。今後は、アンケートとインタビューの分析を中心にしながら、フィールドワークとして現場へ足を運び実践的な視点での研究も継続していく。
|
今後の研究の推進方策 |
第一段階である現場研究は終了している。今後はアンケートの数を増やし、入力と分析の作業を中心に実施していく。インタビューは現在の4名を中心にM-GTAにより分析していく。次年度は人数を4名以上増やし、より分析を深めていきたい。 1.アンケート集計 : 5-8月で集計を完了し分析を開始する。分析は年内に完了する。 2.インタビュー : 年内に3-4名のインタビューを追加実施する。また、これまでに取れたデータで分析を開始する。9月までに1名の分析を終了し、年内に3名の分析を実施する。3月までに新たにとった3-4名の分析を終了する。 3.フィールドワーク : 事例をとるためのフィールドワークは継続する。職員との会話もM-GTAの資料にしていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度、山形への研究で共同研究者3名で山形市長谷堂の向陽園(知的障害者支援施設)へ状況調査および問題行動に関する記録を撮りに行く予定であった。しかし、業務の調整がつかず、研究代表者ひとりで行く結果となった。問題行動を研究者複数の目で実際に見て確認記録することで研究の質の向上が図れると考えたが、ビデオによる学習会を実施することで代替した。そのため、交通費と謝金が中心に予算が余ることとなった。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度は、インタビューとアンケートの依頼などを中心として予算を活用したい。また、研究結果の一部を共同研究者との連名で The Congress of the International Society for Applied Ethology (ISAE)の国際学会(札幌)で発表のための申請を行っている。その交通費としても利用したいと考えている。
|