本研究は、東日本大震災後の原発事故による長期避難者支援について、「福島県相談支援専門職チーム」をフイールドとし、そこで展開された支援の具体事例の分析を通して検討した。その結果、1)「傾聴する」ということ、2)しばしば意図的感情移入を必要としたこと、3)問題を一緒に考えて向き合う姿勢が大切であること、3)自らの問題解決能力によって方向付ける(エンパワメント)こと、4)仮設住宅というコミュニティにおける課題解決能力の強化が不可欠であること、5)訪問、面談という短時間の中でのアセスメントを行い、支援の有無を見極めていくこと、6)当該自治体との連携が重要であったことなどが明らかとなった。
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