研究実績の概要 |
本研究の研究実績の概要は、5区分の調査研究に基づいている。1.送り出し国における外国人家事介護労働者の事前教育内容の構築。2.上記1の実施。3.日本国内在宅におけ稼働。4.上記3のモニタリング評価。5.総合的評価(全過程における修正点と課題)。以上の1および2の段階では、フィリピンのミンダナオ国際大学の学生男女計15名が対象。3.4.5の段階は受講学生から男女1名計2名を選抜、日本国内で稼働しモニタリングと評価を行った。1.2はフィリピンミンダナオ国際大学、 3.4は、岡山県倉敷市内の高齢者サービス付き住宅と愛知県半田市内介護保険事業者の在宅内で実施。 5は、受け入れ事業者の評価記録とインタビューおよび調査者記録をもとに現地大学と協働した。 結果概要:1.2=事前教育は、A家事能力(日本料理、掃除、洗濯等)、B介護能力(軽度要介護者)、C日本語能力(日本語能力試験JLPTレベルN4)、D日本文化社会理解、以上の4分野で90時間1ヶ月間に実施。各分野5段階評価(1=よくできる、5=ほどんどできない)は、事前教育平均点=A/1.9 B/3.5 D/0.8 で、選抜者女性A/4 B/4 C/N4 D/3, 男性A/2 B/3 C/N4 D/1だった。3.4=稼働は約8時間/1日、10日日間、対象者延10名。総じて業務上故障は生じなかった(男性は3日間会話に支障があったが、その後支障は解消した)。特に掃除・洗濯・介護については極めて良好であった。5=支援対象者が軽度要介護者で受容的であったこと、学生が積極的であったこと等プラス側面があったが、事前評価の高低との相関性は見られなかった。ホスピタリティーも高く利用者から相当な高評価を得た。本調査の範囲において、日本語はN4で十分、事前教育の体系化と日本国内での研修を含む継続的フォローが課題となると考えられます。
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