世帯を分けて暮らすことを選択した精神障害者とその家族の多くは、ソーシャルワーカーが支援者として関与していた。家族は、介護者役割を脱却し、専門家にケアを委ねる決意をしていた。世帯を分けた家族と当事者の関係性は、病気ではない他のきょうだいと同じような関係性へと変容していた。世帯を分けて暮らすことを選択した精神障害者は、人間関係が広がり、援助を受けながら生活していく力をつけていた。文献研究では、保護者制度の廃止に伴い、公的保護者制度の創設を含む家族介護に代わる公共的支援を整備し、家族介護の負担を図る必要があることを論じた。
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