研究課題/領域番号 |
26380819
|
研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
矢原 隆行 広島国際大学, 医療福祉学部, 教授 (60333267)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | リフレクティング・プロセス / 協働 / アクションリサーチ / 臨床社会学 / ケア / オープン・ダイアローグ / ナラティヴ / 連携 |
研究実績の概要 |
本研究は、多様な福祉実践の場における新たな参加・協働の技法としての「リフレクティング・プロセス」の効果の詳細を明らかにするとともに、その適用領域と場面に応じた教育・実践・評価プログラムの体系化をおこなうことを目的としている。具体的には、その効果と禁忌を臨床福祉社会学の視座から探究するとともに、各福祉実践の現場で有効に活用可能な参加と協働のための教育・実践・評価プログラムの体系を構築することを目指す。 今年度は、研究代表者自身のこれまでの研究活動を含む、国内外の研究成果を整理し、多様な福祉実践の場における参加と協働の技法としてのリフレクティング・プロセスの有効性の検討をおこなった。検討作業の一環として、国内外における当該テーマに関する先行研究の包括的レビュー、これまでに培ったネットワークを駆使した国内外の実践者・研究者からの直接的情報収集、研究会形式でのリフレクティング・プロセス実践の継続等に取り組んだ。とりわけ、8月末から9月初旬にかけては、リフレクティング・プロセス活用の先進地域であるデンマークにおいて、各分野での活用状況について幅広く情報収集を実施するとともに、ロスキレで開催されたリフレクティング・プロセスに関する国際会議に参加し、各地の研究・実践の最新状況について、北欧を中心とした欧米圏の研究者・実践者らと情報交換した。また、続いて訪問したフィンランドにおいては、リフレクティング・プロセスとの関連が深く、近年、世界各地で注目が高まるオープン・ダイアローグの発祥の地であるケロプダス病院を訪問し、その実践現場にも参加しつつ、情報収集に取り組んだ。そこでの情報収集の成果については、国内の研究会や学会誌等において報告している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リフレクティング・プロセスに関する国内外の研究成果の整理、および、多様な福祉実践の場における参加と協働の技法としてのリフレクティング・プロセスの組み立てに関する検討はおおむね順調に進んでいる。先進地域であるデンマークの実践状況調査については、デンマークでの国際会議への参加のため、一年前倒しで実施した。そのため、福祉実践の場における協働的アクションリサーチの手順についての計画立案がやや後回しとなったが、連携先は確保できており、現在、調整を進めている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、本研究プロジェクトの中軸をなす複数の福祉実践の場における協働的アクションリサーチの詳細な手順について協働による計画立案をおこなう。そのため、高齢者福祉施設、精神保健福祉専門職による研究会の各々を対象とした参加・協働の現状に関する予備調査を実施し、リフレクティング・プロセスに関する協働的アクションリサーチの実施と評価に取り組む。
|