研究課題/領域番号 |
26380826
|
研究機関 | 清泉女学院短期大学 |
研究代表者 |
矢上 克己 清泉女学院短期大学, その他部局等, 教授 (00329442)
|
研究分担者 |
石坂 公俊 高崎健康福祉大学, 公私立大学の部局等, 講師 (10438757)
大塚 良一 東京成徳短期大学, その他部局等, 教授 (60455011)
荻野 基行 東京福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (60521573)
畠中 耕 神戸医療福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (70348126)
橋本 理子 城西国際大学, 公私立大学の部局等, 助教 (70567247)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 新潟県 / 社会事業史調査 / 共同研究 |
研究実績の概要 |
平成26年度の研究実績の概要。本研究では、新潟県における社会事業(社会福祉)の形成と展開過程を明らかにすることを目的に、平成26年度は以下のような研究活動を行った。平成26年8月には、2泊3日の日程で、村上市立図書館、三條市図書館、新発田市図、新潟県立図書館、新潟県立公書館など下越地方の資料文献調査を行った。各図書館及び県立文書館では、各市、町の社会事業関係の多数の資料・文献を発掘した。とくに、三條市立図書館では、同市の社会事業関係の公文書が大量に保存されており、資料発掘の面で大きな成果を上げた。新潟県立図書館に於いて、新潟新聞(マイクロ)を調べ、多くの社会事業の記事を発掘した。さらに、県立文書館では、県内各市町村の公文書を調べ、多くの社会事業関係の資料発掘した。そうした資料文献調査と併せて、共同研究のメンバーで研究会を行い、それぞれの担当分野の研究報告とディスカッションを行った。 平成26年9月には、2泊3日の日程で、加茂市図書館、聖籠町図書館、阿賀町図書館、五泉市図書館、田上町図書館、阿賀野市図書館、新潟県立図書館、新潟県立図書館など下越地方の資料文献調査を行った。各図書館及び県立文書館では、各市、町の社会事業関係の多数の資料・文献を発掘した。共同研究のメンバーで研究会を行い、それぞれの担当分野の研究報告とディスカッションを行った。 11月には、日本社会福祉学会開催時に研究メンバーが集合し研究会を行い、それぞれ担当の研究成果の研究報告とディスカッションを行った。 平成27年3月には、1泊2日の日程で、新潟市へ集合し、新潟県立図書館並びに県立文書館、三條市立図書館で資料文献調査を行い、多数の資料・文献を発掘した。併せて研究会を行い、それぞれの担当分野の研究報告とディスカッションを行った。研究成果については、学会及び研究会で発表し、雑誌などに投稿している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の現在までの達成度については、まず、平成26年度予定していた新潟県の下越地 方での調査で、新潟県立図書館と新潟県立公文書館は別として、その他の市、町の図書館では資料・文献調査はほぼ終了し、資料調査については平成26年度の予定をほぼ達成した。下越地方でさらに資料・文献調査の必要が生じた際には平成27年度以降カバ-していく予定である。また、収集した資料・文献の分析とまとめを行いつつ、それぞれの担当分野についての研究発表を各自行った。11月の日本社会福祉学会第62回秋季大会において、「新潟県の愛国婦人会による社会事業-支部創設から1937(昭和12)年までの展開-」を発表した(発表者橋本理子)。また同月の第14回北信越社会事業史学会では 新潟県における協和事業の展開-新潟県協和会の動向を中心に-」(発表者矢上克己)を発表するなど、各メンバ-が学会、研究会に於いて研究発表を行った。さらに、研究論文では『草の根福祉』第44号、2014に畠中耕が「新潟における『生業資金貸付』事業の展開」を、矢上克己が「新潟県における協和事業の展開-新潟県の協和会の動向を中心に-」を投稿するなどしている。また、これまでの各自の研究成果をまとめ『新潟県社会福祉史の基礎的研究』(本の泉社、2014)を出版した。その内容は、橋本理子「新潟県の妊産婦保護事業」、石坂公俊「新潟県における児童保護施設の量的分析」、大塚良一「新潟県における盲・ろうあ教育創生期の趨勢」、吉田博行「新潟県における医療保護の展開」、畠中耕「新潟県における厚生事業の形成」及び「新潟県における「生業資金貸付」事業の展開 」、荻野基行「大正時代後期の新潟養老院に関する研究」」、矢上克己「新潟県における免囚者保護事業の展開」及び「新潟県における協和事業の展開」である。調査及びその分析とまとめについてはほぼ予定通り達成できた。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は平成26年度に引き続いて、新潟県における社会事業(社会福祉)の形成と展開過程を明らかにするために、新潟県の佐渡島及び中越地方を対象に社会事業に関わる文献資料調査を実施し、収集した資料・文献の分析とまとめを行う。平成27年8月に2泊3日の日程で佐渡島の図書館、役場及び古くから社会事業に関わった寺院や、社会福祉施設などで調査を実施する。併せて、それぞれの研究担当分野の研究報告とディスカッションを行う。 平成27年9月に2泊3泊の日程で中越地方の燕市、長岡市、魚沼市、柏崎市、南魚沼市で役所、図書館、寺院や施設及び団体などを訪問し、社会事業に関わる資料・文献の調査を実施し、収集した資料・文献の分析とまとめを行う。併せて、それぞれの研究担当分野の研究報告とディスカッションを行う。平成27年9月の日本福祉学会では本研究に関わる研究発表を行うとともに、それぞれの研究担当分野の研究報告とディスカッションを行う。 平成28年3月1泊2日の日程で新潟市で、新潟県立図書館及び新潟県立文書館などで社会事業に関わる資料・文献調査を行い、収集した資料・文献の分析とまとめを行う。併せて、それぞれの研究担当分野の研究報告とディスカッションを行う。以上のような研究活動により、佐渡島および中越地方の社会事業に関わる資料・文献調査とその資料分析とまとめおよびそれぞれの研究担当分野(児童保護、障害者保護と医療保護、救護、経済保護と軍人援護、社会事業関連、社会教化、司法保護、隣保事業、人事相談と災害救済)の研究の達成に努める。また、共同研究のメンバーはそれぞれの研究担当分野の研究成果を研究雑誌などに論文を投稿する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
まず、旅費についてであるが、平成26年度は2回の共同研究調査で新潟県内に、下越地方を中心に図書館および役場などに社会事業の調査を実施したが、本共同研究のうち、3人のメンバーが、共同研究調査2回のうち、それぞれ1回、勤務校の緊急かつ重大な公務で参加できなかったためである。また、それぞれ共同研究の中で、自分が担当している分野について、下越地方にに社会事業史調査で、図書館および役場などに出かけることもできたが、それもそれぞれ校務その他の事情で実施できなかった。以上の理由で、旅費に残額が生じた。 また、その他の費用の残額については、特にコピー代が予想していた額よりも、実際には使用されなかったためである。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成26年度の残額については、特に旅費の残額については、昨年度の共同研究の社会事業調査に参加できなかったメンバー3人が、それぞれの担当分野(児童保護関係、障害者保護および医療保護関係、救護事業、経済保護及び軍人援護関係)について、昨年同様それぞれ新潟県の下越地方に、社会事業調査で図書館および役場、社会福祉施設などに社会事業史調査を実施する計画である。 その他の費用の残額については、平成27年度のその他の経費が6,000円の計上と少額であるので、昨年度のその他の費用の残額はコピー代その他の費用に充当する計画である。
|