研究課題
介護福祉施設へアンケート調査(2014)を行い、介護職が医療的ケアの実態と、医療的ケアが必要にならないように行っている介護技術を明らかにした。また、介護職員及び医療的ケアを教授する教員へインタビュー調査(2015)を行い、介護職が医療的ケアを行うことについての聞き取りを行った。社会的要請によって行わなくてはならなくなっていることに戸惑い、現在の医療的ケアの研修事態に難があるということを回答している。調査から、人手の少ない中、研修に行かせるだけの時間がない。介護職は、直接的な介護技術は行っているものの、周辺介護技術に関しては、行えていないことがわかった。手わざだけを教え込むことについて、専門性もない。違法性が阻却とされたが、「ある行為が処罰に値するだけの法益侵害がある場合に、その行為が正当化されるだけの事情が存在するか否かの判断を実質的に行い、正当化されるときには、違法性が阻却される」ということであり、いまだ、「やむを得ない措置」という行政上の措置を優先させていることにほかならない。この研究をまとめるにあたって、日本介護福祉士養成施設協会作成(2012)の「医療的ケアに関する教育方法の手引き」の、「喀痰吸引等の医療的ケア実施の目標」を参考にし、提言をまとめとした。その結果、安全に行うためには、知識・技術を系統的に学び、十分な観察と専門的な判断に基づいて行わなければならないが、現在の医療的ケア教育はそこに重点をおいていない。介護職が行う医療的ケア(喀痰吸引)は、感染の機会を増加させる危険性もあり、介護職が行う医療的ケアにおける喀痰吸引に関しては意味をなしていない。介護福祉士法第二条第二項にあるように、医師の指示のもと実施されるとなっており、専門職としての積極的に関与している行為とはいえず、社会的評価を高める行為とはいえない。
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京都華頂大学・華頂短期大学教育開発センター報告書
巻: 4 ページ: 1と7