研究1では釈明受容の媒介要因として被害回復期待に注目し、日本、中国、米国の成人496名を対象にWeb上で役割演技実験を実施した。その結果、自己利益的被害、象徴的(自尊心)被害、社会規範的被害のいずれに関しても、謝罪がその回復期待を強めることによって正当化よりも被害者の受容を促進することが文化共通に見出された。 研究2では米国のKim et al.が見出した謝罪の逆転効果(倫理違反状況では謝罪は正当化よりも行為者に対する信頼を低める)を日本において追試した。男子学生65名がPC上で参加した役割演技実験の結果はこの効果を示したが、その認知メカニズムはKim et al.の理論とは異なっていた。
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