他者の視点からもの(対象)を見る(視点取り)の能力の個人差と,他者と対象を見るときの視線の動きに関係があるかどうかを検討した結果,E-S 理論による認知スタイル(共感化型・システム化型)により,視点取りをするときには視線の動きに違いがあることが示された。共感化型では,視点の位置にあるもの(対象を見ているもの)が,ヒトか,ロボット(ヒトに近いもの)か,抽象的な記号かによって,視線の移動が異なり,ヒトに近いほど視線が視点と対象の間を動く頻度が高いことがわかった。一方,システム化型では,視点取りにおける視点の位置にあるものの属性は,視点の動きとは関係が無かった。
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