平成28年度は、これまでの店舗を対象とした調査、保安員と店舗でアルバイトを行っている大学生を対象とした調査の結果に基づき、店舗向け万引き防止教育プログラムを開発した。店舗向け万引き防止教育プログラムとして、安全安心まちづくり推進店舗の認定基準を作成して認定を行い、86店舗を対象に万引き防止教育の指導を行った。その結果を分析したところ、認定店舗と認定できなかった店舗では、店員への教育得点、防犯環境の整備得点、地域との連携において有意差が認められた。また、認定できなかった店舗における課題の指摘数と合計得点には中程度の有意な負の相関が認められた。さらに、カメラに不備がある店舗ほど店員の教育の得点が高いこと、防犯意識が欠如した店舗ほど店員の教育、防犯環境の整備の得点が低いこと、地域貢献への意欲が欠如した店舗ほど地域との連携の得点が低いこと、目合わせ・声かけのない店舗ほど店員への教育の得点が低いことが示された。さらに、これまでの店舗を対象とした調査、保安員と店舗でアルバイトを行っている大学生を対象とした調査の結果に基づき、店舗で視聴可能な店員向けの万引き防止教育動画を制作し、その評価を行った。その結果を分析したところ、店員向けの万引き防止教育動画の評価は高いことが示された。特に、「動画を店員教育に生かせると思った」という項目は得点が高く、9割以上の者が店員教育に生かせると考えていることが明らかとなった。
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