日本の大学で学ぶ外国人留学生を対象として、身ぶり、しぐさ、視線、話し方の調子などの非言語コミュニケーションで、日本と母国の特徴、両者の違いを、PAC分析と呼ばれる方法で調査した。PAC分析は自由連想項目(思いついた言葉)同士の類似の程度を調べて統計分析し、その構造のイメージを対象者本人に聞く方法である。従前の研究で、人間関係のあり方の枠組み(人間関係スキーマ)と相手との望まれる話し方(言語コミュニケ-ションスキーマ)が、文化によって規定されていることが明らかにされている。本研究によって、ほとんどが無意識的と考えられる非言語的対人コミュニケーションでも、文化的なスキーマの存在が明らかにされた。
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