本研究は,女性の顔の魅力に着目し,心理実験及びfMRI実験を用いて,欺瞞性認知とその脳内メカニズムについて検討することを目的とした。女性モデルに対し化粧を用いることで高魅力条件,低魅力条件の両条件を構成し,各条件にてビデオカメラの前で同一の話をすることを求め,その様子を録画し,編集した映像刺激を実験参加者に呈示し,魅力度,欺瞞度等の評定を求めた。その結果,魅力度の操作チェックに概ね成功し,またいくつかの刺激において欺瞞度の条件差が認められた。仮説を明瞭に支持する結果ではなかったものの,女性の顔の魅力が高いほど欺瞞性認知が低いことが弱いながらも立証され,fMRI実験実施の準備状態に到達した。
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