研究課題/領域番号 |
26380851
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研究機関 | 江戸川大学 |
研究代表者 |
浅岡 章一 江戸川大学, 社会学部, 准教授 (80386656)
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研究分担者 |
五十嵐 敦 福島大学, 総合教育研究センター, 教授 (40241731)
望月 芳子 江戸川大学, 社会学部, 非常勤講師 (60634938)
福田 一彦 江戸川大学, 社会学部, 教授 (20192726)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 睡眠 / キャリア教育 / 早期離職 / 職場適応 / 生活習慣 |
研究実績の概要 |
早期離職をはじめとする新卒者の職場への不適応は,企業のみならず学生のキャリアにとっても大きな影響を与える問題の一つである。本研究の主な目的は『大学卒業から就職へという環境移行にともなう生活習慣の急激な変化が,就職後の適応に与える影響を縦断的に検討すること』である。睡眠問題を含む乱れた生活習慣が学校や職場への不適応と強く関連するという結果や,日本の大学生の睡眠習慣が世界で最も乱れており,不健康感の訴えも多いという国際比較研究 の指摘を考え合わせれば,日本人大学生の乱れた生活習慣が,その後の社会人としてのスムーズなスタートを阻害している可能性が考えられる。 そこで,本研究課題では,大学在籍時と就職後の睡眠・生活習慣に関して縦断調査を行い,それらを比較することで就職に伴う活動リズムの変化を確認する。続いて,その変化が,就職後の適応 (抑うつ・QOL,職務満足度,離職) に与える影響をそれぞれ確認することを目指している。これまでに,Web上の回答フォームを用いて,複数年に渡り大学4年生を対象として初回の調査を行った後,その回答者を対象に2年間の追跡調査を行い,大学4年時,就職1年目,就職2年目,それぞれの時点における,睡眠習慣および学校・職場への適応状況,精神的健康を測定してきた。2018年度は追跡2年目および追跡3年目の大学卒業生に対する調査を引き続き実施し多変量解析に十分耐えうるデータ数の確保に努めた。 それに加えて,本年度には新人看護師を対象として実施した調査の結果から,目覚めの悪さや寝付くまでの時間の長さが,離職願望の強さと関連することを確認し報告した。また,職場適応とも密接にかかわるコミュニケーションスキルにあたえる眠気の影響を実験的に研究した結果も報告し,多方面から乱れた睡眠習慣と職場適応との関連について検討を重ねている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
各調査における回収率が想定した値に届いておらず,3回の調査すべてに回答した参加者のデータが十分な数に達していない。2019年度にさらなる追跡調査を行い十分なデータ数を確保する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度には追跡調査の実施を予定している。また,調査が完了し,全てのデータが揃い次第,最終的な解析を実施し,その結果を各種学術集会等で発表していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査において,当初予定していた回収率を下回ったことで,調査対象者への謝礼分が次年度使用額として残っている。この分は,次年度に予定されている追跡調査対象者への謝礼となる予定である。また,データ収集の遅れにより成果発表にかかる予算も次年度に使用することとなった。
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