研究課題/領域番号 |
26380864
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研究機関 | 科学警察研究所 |
研究代表者 |
島田 貴仁 科学警察研究所, 犯罪行動科学部, 室長 (20356215)
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研究分担者 |
雨宮 護 筑波大学, システム情報工学研究科(系), 准教授 (60601383)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 割れ窓理論 / 規範 / 犯罪予防 / 介入 / 性犯罪 / 空間行動 / 被害リスク |
研究実績の概要 |
研究2年目ではある平成27年度は、昨年度より継続している犯行選択における物理環境の分析を継続するとともに、住民の秩序違反の認識や犯罪不安場所を測定するための社会調査を実施した。 犯行選択の研究のうち、街頭での非面識者からの性犯罪被害の分析では、分析対象事件の6割以上で、加害者による犯行対象の物色、尾行・待ち伏せが確認された。また、被害者の空間行動と加害者の犯行選択との関連も見いだされた。一方、同じく移動体データを用いた街頭でのひったくりリスクの分析でも、潜在被害者の空間行動と被害リスクとの間に関連が見いだされた。これらの結果を総合すると、高被害リスク状況での空間移動に削減する介入によって、街頭での犯罪被害が予防できることが示唆された。 社会調査では、首都圏の1市を対象に、自治体の協力を得て、郵送法による調査を実施した。調査では、昨年度以来収集した先行研究に基づき、秩序違反の認識、空き家や空き地などに対する意識、インフォーマルな社会統制の行為等を尋ねた。また、地図指摘法を用いて回答者の居住地を含む町丁目で、秩序違反行為等の問題個所を尋ねた。実査は予定通り終了し、平成28年度以降分析に着手する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究遂行上、大きな要素を占める住民調査を、予定通りの年度に実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
住民調査から得られた、空間参照可能な秩序違反データをもとに、秩序違反行為の集積性を評価するとともに、秩序違反行為を軽減するための介入研究を企画する。
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次年度使用額が生じた理由 |
評定者を雇い上げての観察調査については、当初は予備調査での対象地区の絞り込みを予定していたが、自治体の協力により、住民調査で地図指摘法による市内全域の秩序違反状況の把握が可能になったため、第1段階の絞り込みを住民調査によることとした。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年以降に観察調査として使用する。その際、介入実験の予備観察調査を兼ねることとする。
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