本研究は、幼児・児童期の他者理解について、社会的文脈での感情会話・コミュニケーションに着目し検討した。具体的には(1)幼児間の仲間遊びでの感情語言及や、葛藤状況を中心とした調整的やりとりについて検討した。(2)小学校児童が、葛藤を伴う、あるいは葛藤経験についての話し合い場面において、どのように調整的なやりとりを行っていくか検討した。(3)家族の夕食時の感情会話について、葛藤経験を再解釈する上での3世代を含めた家族(母や祖母)の媒介によるサポートに着目し、検討した。 総じて、こうした園・学校・家庭での感情会話・コミュニケーションが幼児・児童期の他者理解に果たす役割の重要性が示唆された。
|